2017-10-31

HAPPY HALLOWEEN 2017

およそ 1 年ぶりの更新ではあるものの、ハロウィンになるとナイトメアランドを思い出してくださる方がいて嬉しい限りです。お久しぶりの担当Pです。


2 周年というほどの動きはないのですが、10 月 8 日に開催されたドット絵の祭典『Pixel Art Park 4
そこに開発を担当していただいたイクシール様が出展し、ナイトメアランドも展示されましたよ!


会場ではプロモーションビデオ、体験版アプリ、そしてハロウィンカードを配布してくれました。ありがとうございます!リアルの場にトワたちが出るのは初めてでしたね。

嬉しかったのは「ナイトメアランド好きです」というお客様と直接お会いできまして御礼を言えたことです。なかなかそのような機会は無いので、とても貴重なひと時でした。


さぁそんなわけで、今回もファンアートへの感謝をズダダダーッと綴らせていただきます!(既に公開をされていないイラストもあるかもしれませんが、遅ればせながら御礼とさせていただきます)

スマホで記念写真を撮る 3 人。ウェルとアリンがちょっと不思議そうに見ているのがイイですね。END:if……の一場面かもしれません。各アトラクションの情景もありがとうございます。
ウェルと手をつないでいるトワ。アリンが怒っているのは嫉妬でしょうか。このあとウェルが手を差し伸べたらツンデレするのがお約束!
END:traitor のトワ。そうです、トワ自身なのです。なんと一瞬出る口もトワ自身なのです。もはやトワの容姿さえしておらず●●●●と化しています。そのくらい後味の悪いエンドをイメージしました。最後に名前を叫ばせるのがポイントです。当時のプロットを読み返したら唯一あとから加えられたエンディングでしたね。
悪夢なウェルとアリン。きっとトワが来る前ですね。この頃はアリンもウェルを頼りにしていたはずです。だけどウェルは?薄い笑みの奥でどんな感情を抱いてたのでしょうね。
「わたしがまもってあげる」END:anger のトワ。いい感じに狂気がにじみ出てていて素敵です。何かが外れてしまった感ってゾッとしますよね。
鏡合わせのウェル。実は担当Pの頭のなかに『赤ウェル』というネタがありまして、おっ⁉と目を引きました。「アンタの御馳走は お あ ず け だ」的な。いつか出せたらなぁ、この続編ネタ(オチバレしてる気がしなくもないですが)
もしも風船が割れてしまったら。「残念だねぇ」がトワに対してなのか、それとも自分の望みに対してなのか。ウェルの表情と相まって想像がかき立てられるセリフですね!
そぉい!なトワ。ミラーハウスで鏡を割るところでしょう。個性を抑えめにした子なのでこういった勢いのあるトワは好きです。開発中に『あらゆる謎を力技で突破したときのギャグエンド』を考えていたのを思い出しました。
え……じゃあ…… え……じゃあ……(2回目)めちゃくちゃウケました!直前の「でもせっかくだし乗ってみたいわ!」という振りがまさにアリンらしいじゃないですか。言うね。あの子はそういうこと言っちゃうね。
噴水の前で希望を失った瞳のトワ。ちょっと耽美なアリン。そして顎クイしてるウェル(笑)このあとトワが思いっきり舌打ちして END:anger に発展したら……と勝手に想像しました。うん……そりゃ仕方ないなウェル……。
ヒザを抱えて座るトワ。何気ない、どこにでもいそうなトワらしさが出ています。キャッスルのステージは確かに難しくし過ぎたかも。攻略ヒントがお役に立てば幸いです。
人形のようにウェルに操られるトワ。世界観をうまく表現していますね。このウェルもまた誰かの操り人形だったりするわけで。うまくいかないものだねぇ。
人魚の唄を聞くトワとアリン。竪琴を持っているから平気な時でしょう。なによ!とウェルに突っかかるアリンも雰囲気が出ていますね。
ビーズ人形のトワ、アリン、ウェル。アリンの瞳の色やトワのリボン、ウェルの足のベルトなど細かいところも再現されています。よく見てくれてるなぁと感激です。ある意味、立体造形ですね!
鏡写しのトワ。初期設定のトワも密かな人気があるようです。ピンク服verは担当Pもお気に入りなのですが、あっちのトワはセリフのある方が似合う気がしてます。
ディフォルメサイズのウェル。特に顔のペイントと脚のディフォルメ感がイイですね。服の模様をあしらった風船もナイスアイディアです!メダパニとか唱えるぜ、きっと。
かぼちゃの風船を持ったハロウィントワ。色違いのトワって何気に新鮮ではないでしょうか。この風船はイオとか唱えるぜ、きっと。
絵本に出てきそうなクレパス調のトワ。大人になったというif……も素敵かと思います。ウェルは変わらず「ちっさいの」と呼んだりするのでしょう。


またすべてのイラストをご紹介することは出来ませんでしたが、すべてに目を通せていると思います。見返してみると今回はトワのイラストが多かったです。セリフが無いからこそいろいろな想像ができるのかもしれませんね。

そしてもちろん

コメントなどで応援くださった
皆様もありがとうございます!

すこし前に某殺人鬼と少女のゲームがアニメ化するというニュースがありました。こういったゲームがアニメの世界まで飛躍するというのは素晴らしいことです。いいないいな。そうなれるくらい精進いたします。はい。


それでは
また別のゲームでお会いできることを願って。
担当Pでした。


2016-11-04

1 周年ありがとうございます!


ナイトメアランドの 1 周年を祝してイクシールさまより記念イラストをいただきました。ありがとうございます!ありがとうございます!

イクシールさまでは毎年『ものづくりイベント』を行っているそうです。
いつもナイトメアランドを応援してくださっているファンの皆様になにかお返し出来ることがないかということで、デザイナーの方々はナイトメアランドの立体物制作をされたようなんですね。
素敵な作品なのでこちらのブログで紹介させていただきます。

まずは記念イラストを使ったペーパージオラマ!



謎の銘文もしっかり刻まれております。エントランスでの 3 ショットはある意味もうひとつの END:if…ではないでしょうか。

そして先日のハロウィン記念イラストを使ったシャドーボックス!



一見、ドット絵を印刷しただけのようですが、じつは絵を何枚も重ねて立体的に仕上げているんです!イラストのようでいて奥行き感のある作品になっていますよ。



デジタルのものをアナログで表現するというのはワクワクしますね。クリエイター魂と作品愛を感じられます。皆さんの創作もそのひとつではないでしょうか。


さて、ここからはファンの皆さまへ。
今でもナイトメアランドの新しい創作を追っている担当 P なのですが今回もダダダーッを感謝を綴らせていただきます。

ウェルとナイトメアランドオールスターズ!ミラーハウスのウサギや、専用デッドエンドの怪物たちまでいますね。背景にはトラウマ(?)な巨大イカも!ちっさいアリンをからかうウェルのイラストも 3 人の雰囲気が伝わってきます。
風船をもって飛び上がっている 3 人。こんなハッピーエンドも素敵なEND:if…です。
海外の方のイラストもありました!漢字の謎解きなど苦労されたのではないでしょうか。それでも遊んでくださったのは嬉しいです!
ボールペンでのウェルとアリン。非常に精細!ナイトメアランドの BGM を聞きながらということでありがとうございます。担当 P のお気に入りはタイトル画面で流れるメインテーマです。
不安そうな表情のトワ。不気味な遊園地に迷い込んだらこうなっちゃいますよね。ウェルの笑顔も雰囲気があります。
ふんわり水彩風なウェル。青い風船の透明感がとてもきれいです。
風船を持ったウェル。柄テープを切り貼りしたコラージュアートです。素敵なセンスです!
横顔の妖艶なウェル!ウェルらしい笑顔をしつつ鎖が絡みついているのがキャラ設定を表現してくださっているようで嬉しいです。エントランスのウェルも迫力十分ですね。
ミラーハウスで方向間違えたらお嬢様発見!あの斜めの鏡も当初はギミックの予定だったのですが、盛りだくさん過ぎなのでボツにしてしまいました。
アリンをお姫様だっこしているウェル!シーン的にはトワが訪れる前のこと。ウェルも男性らしい力はあるんですよね。
トワを肩車しているウェル!ホラゲーの少女×青年ペアの一組に選んでいただけました。ありがたや。
縁日&浴衣姿の 3 人!お代は「ちっさいのの元気」となっているのが微笑ましいです。きっとわたあめを食べつくしてしまうことでしょう。アリンの元気は人一倍!
グリザイユ技法で描いてくれたトワ!いろいろな塗り方にチャレンジしてみるのも楽しいですよね。
ウェルに後ろから抱き着くトワとアリン!ほのぼのな 3 人は創作でしか見られませんので貴重なシーンです。広がれナイトメアランドの輪!
観覧車イメージのトワとアリン。その先の海底探検では手を繋ぐんですよね。担当 P はトワがアリンを救うという世界観設定のようにも思えました。
スカートの裾をちょこんとつまんだアリン!この挨拶はカーテシーと言うらしいですね。アリンにぴったりの仕草です。
「信じてるから!」のシーンのマンガ。ウェルの表情はきっとこんな感じでしょう。ちなみに公式が言っているぐぬぬなアリンはそういうことです(笑)
「まだまだたくさんあるからねぇ!」のシーンのマンガ。ぞっとするバッドエンドですが人気のあるエンディングでもあります。衣替えしたキャラたちやハロウィントワもありがとうございます!

息切れしそうなほど一気に思いを詰め込んでしまいました。すべてをご紹介できているわけではありませんが、すべてに目を通しております。

改めまして応援いただき
ありがとうございます!

ちょうど今は映画『インフェルノ』が公開されていますね。このナイトメアランドの企画時に読み込みました。世界観をつくるうえでヒントのひとつになった作品です。
ナイトメアランドも INFERNO なのですから。
→ 過去記事:2015-12-03 ナイトメアランドという世界

秋の夜長。映画やゲームから古典作品にふれてみるというのも如何でしょうか。
担当 P も企画アイディアのために何か読んでみようと思います!


それでは
また別のゲームでお会いできることを願って。
担当 P でした。


2016-10-31

HAPPY HALLOWEEN 2016

今年もハロウィンの季節がやってきましたね。
先週末の渋谷の様子をニュースでご覧になった方もいるかもしれません。いや、すごいのなんの…。

さてさて

そんなハロウィンにナイトメアランドの開発をしてくださったイクシールさまから素敵なドット絵が届きましたよ!


アリン「お菓子がいっぱいよ!トワ!」
トワ「……♪(むぐむぐ)」
アリン「これってボーナスステージかしら!」

END:Halloween if……
(※ 残念ながら本編にはございません)


ナイトメアランドも公開から 1 年を超えましたが、今でもダウンロードされていて嬉しい限りです!レビューやツイートもちゃんと目を通させていただいております。

ツイートを見ていると「語れるファンの方が見つからなくて寂しい」といったご意見も見られます。
マイナーとも言われるナイトメアランドですが、iOS と Android を合わせると 10 万人以上が遊んでくださっているんですよ。きっとあなたの近くにもいるはず!?

つぶやきの際に #ナイトメアランド とか付けると見つけやすくなるのかもしれません。そして、みんなオリジナルのイラストとか SS とか投稿しちゃえばイイと思う!


それでは素敵なハロウィンを☆

2015-12-11

公式ブログ完結

世界観設定まで紹介をしましたことで、これにて『ナイトメアランド 公式ブログ』は完結となります。(当初はハロウィンのときに終わる予定だったのですが、のびのびになってしまい申し訳ありません)


早いものでナイトメアランドが一般公開されてから 3、4 ヶ月ほどが経ちました。
→ 過去記事:2015-08-28 ファンの方々への御礼

今でも話題にしてくださっていたり、新規でプレイをいただけており、感激の毎日です。
改めましてこの場を借りて感謝と御礼を申し上げます。

ナイトメアランドを遊んでいただき
ありがとうございます!


さて、最終回ということで行間も開けずにダダダーッと思い出や感謝をつづらせて頂きましょう!

ウェルと可愛らしいふたりの人形。担当 P が見ていたなかではナイトメアランドの一番初めのイラスト投稿でした。未完だった 2014 年末の頃でしたね。
ウェルの人形を抱えたアリンのイラストもありました。
GooglePlay 版のリリースが流れたときには、twitter 上で「馬刺し?」というワードが飛び交ったりしたのも懐かしいです。「沼」というワードも飛び交っておりました。担当 P は意味を知らなかったのですがひとつ賢くなりました。
記事を取り上げてくださったメディアさまにも御礼申し上げます。
twitter や Pixiv でラストの SS を創作くださった方もいらっしゃいました。どちらも素敵なエンディングですよ。
「ウェルのうきうきウォッチング」。なんて語感がいいんでしょう!度胸 EX のトワらしい冷静な行動に笑いました。
風船と左胸が光っているトワ。静かながら作品を象徴するイラストですね。
青空を見上げるウェル。こんな if… も素敵ですよね。
実況動画をつくりたいとご連絡くださった方。最後まで見させていただきました。ラストの余韻が印象的でした。ウェルも仕事していたんですよ。
めちゃくちゃ怖がりながらも攻略くださった方もいらっしゃいました。大丈夫です。担当 P も怖がりですよ。
「絶対に、絶対に手を離してはいけないよ?」風船をわたすウェルの表情に含みがあってイイ感じですね。
どこか狂気を帯びた目のウェル。何気にあまり見ないダークサイド感が出ていてカッコイイです。勝手に END:lust のウェルっぽいなと思っています。
頑張るトワ。ぜひ頑張ってエンディングコンプをいただけたら幸いです。
マインクラフトなウェル。確かに帽子部分は難しいですね。でも一目でウェルと分かります。
アリンとウェルのラストシーン。感情豊かなアリンらしさが出ていました。
手を繋いだ 3 人。劇中では見られないトワの笑みに癒されます。
ウェルの間に座りながらムスッとしているアリン。何気にウェルの手を抱えているのが微笑ましいです。
脱出するふたりと消滅していくナイトメアランド。「俯瞰で見るとこうだったのか!」と作り手側ながらマジマジと見てしまいました。
ストアレビューにつきましても貴重なご意見、あたたかいご意見、すべてに目を通しております。
あぁぁぁ 他にもたくさんあるのに全てに直接御礼を言えないのだけが心苦しい…。
みなさま、ありがとうございます!


最後に

ナイトメアランドが広まっていきましたのはファンの方々のおかげです。
もちろん声に出さずとも「ナイトメアランドを遊んで楽しかった」と思っていただけましたらとても嬉しいです。
さらに広まって多くの方々に遊んでもらえたらと思っております。ご一緒に盛り上げていただけましたら幸いです。

また、ブログは完結しようとも個人的にはみなさまの創作を楽しみに見させていただきます。もはや趣味ですね。


それでは
また別のゲームでお会いできることを願って。
担当 P でした。

2015-12-03

その他設定・小ネタ

ナイトメアランドのその他設定・小ネタのご紹介です。重大なネタバレを含んでいますのでクリアされてから読むことをお勧めします。

また、小ネタはナイトメアランドの世界観設定に基づいています。さきにそちらをご覧ください。
→ 過去記事:2015-12-03 ナイトメアランドという世界


プロローグ


トワとアリン、どちらのことにも取れるようにしています。

本棚の部屋の番号

ナイトメアキャッスルの本棚の部屋。


罪人の像を取るための番号は『神曲』の全行数とおなじ数です。

ウェルの口癖?


劇中に 2 回出てくるセリフです。シーンによって含む意味が違っています。

隠しエンディング

隠しエンディングというほどでもありませんが、ストーリー上では入手できないエンディング(MEMORIES 27)があります。


タイトル画面から OPTION へ進み、クレジットを押してみてください。通常とは違うスタッフロールが流れます。

発生条件はありませんので先に見ることもできますが、すべてのエンディングを見たあとだと感じかたも変わってくると思います。

ウェルの装飾


首輪、チェーン、ベルトなど「縛りつける・繋ぎとめる」ことを象徴する装飾が入っています。

ナイトメアランド、そしてクイーンに捕らわれているというイメージです。

最後の3行


END:rise で流れるストーリーの最後には、3 人のキャラクターを連想させる言葉を盛り込んでいます。

「トワ」と読んでくださいね。

キャラクターの名前の由来

ナイトメアランドのキャラクター設定のご紹介です。重大なネタバレを含んでいますのでクリアされてから読むことをお勧めします。

また、キャラクターの名前の由来はナイトメアランドの世界観設定に基づいています。さきにそちらをご覧ください。
→ 過去記事:2015-12-03 ナイトメアランドという世界


アリン


『神曲』の作者であり、主人公でもある「ダンテ・アリギエーリ」が名前の由来です。

男性ですがアリンは女の子にしました。なかなか女の子らしい名前を抽出するのが難しかったです。

ダンテは赤い服を着て描かれていることが多いのでアリンの服も似た色にしています。

ウェル


『神曲』の地獄篇と煉獄篇でダンテの案内役を務める「ウェルギリウス」が名前の由来です。

ウェルギリウスは、さすがにピエロではなく古代の詩人です。
『神曲』では煉獄山の山頂までしか案内することができませんでした。天国には入れないのですね。

しかし、ナイトメアランドでは…?

トワ


『神曲』の天国篇でダンテの案内役を務める「ベアトリーチェ」が名前の由来です。

ベアトリーチェがダンテを導く(救う)という点で、ナイトメアランドではトワが主人公になりました。

「永遠の淑女」とも呼ばれ、キリスト教神学では愛の象徴である存在とされています。

永遠 → トワですね。MEMORIES 16 にそれらしい文章が出てきます。

一説には、実在した女性でダンテの初恋の人ともいわれていますよ。

ナイトメアランドという世界

ナイトメアランドの世界観設定のご紹介です。重大なネタバレを含んでいますのでクリアされてから読むことをお勧めします。


早速ですが、ナイトメアランドはある書物をモチーフにしています。

ところどころで作品の影が見え隠れしますが、あくまで世界観設定の話なので劇中では言及されていません。


その書物とは


『神曲』


イタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリによる叙事詩です。地獄篇、煉獄篇、天国篇の三部で構成されており、もっとも印象的なのは地獄篇ではないでしょうか。

暗い森に迷い込んでしまったダンテは古代の詩人ウェルギリウスと出会います。そして彼の案内で地獄、煉獄を巡り、のちに出会うベアトリーチェの案内で天国を旅します。

ナイトメアランドはその地獄篇の部分をモチーフにしました。(あくまでモチーフですので神曲そのままの世界ではないです)


『神曲』での地獄は 9 つの圏に分かれており、おかした罪により堕とされる場所が違います。
ダンテはさまざまな責苦を受ける亡者を目の当りにしながらすべての圏を巡っていくのです。

ナイトメアランドも 9 つのアトラクションがあり、それぞれを地獄の圏に相当させました。

エントランス

トワは門をくぐったところで倒れてしまいます。ここから先が地獄(亡者の世界)であるからです。


エントランスの門は「地獄の門」をイメージしました。『神曲』の地獄の門にはこう刻まれています。

Lasciate ogne speranza, voi ch'intrate'
この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ


これが地面に書かれていた欠けた文字の全文(イタリア語)です。

ちなみに、有名なロダンの彫刻「考える人」はこの門の一部分です。地獄の門は実在するんですね。日本でも観ることができますよ。

バイキング

第一圏の名称は【LIMBO】。
忘却という意味もあり、【辺獄】という名称そのものでもあります。

地獄のなかですが、罪人の堕ちる地獄圏ではなくその手前部分に当たります。
ここでは、善も悪もなさなかった者が責苦はないものの永遠の時を過ごしています。


辺獄と地獄圏のあいだにはアケローン川が流れており、冥府の渡し守カロンが亡者を舟にのせて地獄へと送ります。


バイキングにいた渡し守はカロンであり、バイキング自体もカロンの舟でした。


アケローン川を渡るには渡し賃が必要です。ナイトメアランドにおいても金貨を持っているとカロンが通してくれましたね。

その先には冥府の裁判官ミーノス(ミノス王)がおり、亡者の行くべき地獄圏を割り当てるそうです。


ナイトメアランドでは、さかさまの王様として登場します。裁判官のようなことは行わないものの論理パズルを出してきます。

エンディングとしての【LIMBO】は、すべてを忘れてしまうイメージにしました。

ミラーハウス

第二圏の名称は【LUST】。
意味は色情や愛欲ですが、もうすこし柔らかく【快楽】としました。

ここでは、愛欲におぼれた者が荒れくるう風に吹き流されているといいます。


ミラーハウスに登場するお嬢様は自分への愛欲にあふれています。鏡に囲まれ、いつでも自分の姿を見られることに快感を覚えていたのかもしれません。

エンディングとしての【LUST】は、恐ろしい快楽への誘いをイメージしました。

コーヒーカップ

第三圏の名称は【GLUTTONY】。
意味は【貪食】です。

ここでは、大食の罪をおかした者がケルベロスに引き裂かれているといいます。


大きなケーキや食器は大食を、3 匹の犬に首輪をつけるのは 3 つ首のケルベロスをイメージしました。ケルベロスは甘いお菓子が好物なようですよ。

また『神曲』では、この第三圏に冥府の神プルートも出てきます。


ギリシア神話のハデスにあたりますが、ケルベロスを従えているといわれます。姿の見えないご主人様とはハデスのことですね。

エンディングとしての【GLUTTONY】は、怪物たちに食べられてしまうイメージにしました。

観覧車

第四圏の名称は【GREED】。
意味は【強欲】です。

ここでは、ケチな者と浪費の過ぎた者が重い金貨の入った袋を転がして罵りあっているといいます。


『神曲』の要素をアトラクションに反映しているところはほぼありませんが、金貨の袋を転がしている様子がゴンドラのまわるイメージに近いと思いました。

エンディングとしての【GREED】は、みずからの欲望を叶えるために動いていたものの、それを断ち切ったイメージにしました。

海底探検

第五圏の名称は【ANGER】。
意味は【憤怒】です。

ここでは、怒りに我を忘れた者たちが血の沼で傷つけあうといいます

ここもアトラクションに反映しているところは少なく、海と沼で水つながりといったところでしょうか。

『神曲』では先の第七圏にハーピーという半人半鳥の魔物が出てきます。
このハーピー、しばしば似た容姿をもつセイレーンと混同されます。セイレーンももとは半人半鳥の姿だったそうです。


音の謎解き&水のあるアトラクションということで、歌のうまい人魚であるセイレーンに無理やりご登場いただいたのでした。

『オデュッセイア』という別の叙事詩においてはセイレーンが歌声で魅了してくるくだりがあります。


しかし、竪琴を鳴らして歌声をかき消したというエピソードがあることから、ナイトメアランドではセイレーンの歌に惑わされなくなる「小さな竪琴」というアイテムを入れてみました。

エンディングとしての【ANGER】は、静かなる怒りといったところでしょうか。

メリーゴーランド

第六圏の名称は【HERECY】。
意味は【異端】です。

ここでは、異端者が墓穴で焼かれているといいます。

『神曲』においてはケンタウロスと出会うところです。馬のイメージからメリーゴーランドを舞台にしました。


また、メリーゴーランドにはチェスのような謎解きもあります。実際のチェスでもナイトの駒は馬ですよね。


メリーゴーランドのナイトはそのまま騎士の姿をしていますが、最期は馬の姿に…!
ある意味【異端】であるかもしれません。

エンディングとしての【HERECY】は、アリンがトワとは異なる存在であることに気付くイメージにしました。

ホラーハウス

第七圏の名称は【VIOLENCE】。
意味は【暴力】です。

ここでは、暴力をふるった者が煮えたぎる血の河につけられたり、火の雨に焼かれたりしているそうです。

『神曲』の第七圏以降は、中でまた複数のエリアに分かれています。様々な場面があるためアトラクションへの反映はほとんどされていません。

ここへ堕とされる者は自己に対する暴力も当てはまるといいます。


エンディングとしての【VIOLENCE】はそのイメージになります。

ジェットコースター

第八圏の名称は【FLAUD】。
意味は【悪意】です。

ここでは、悪意をもって罪をおかした者が 10 個のエリアに振り分けられ責苦を受けるといいます。

ホラーハウス同様、『神曲』では複数のエリアに分かれている圏なので引用しているところはありません。

じつは、遊園地にジェットコースターが無いのもなぁ…という理由だけだったりします。


エンディングとしての【FLAUD】は、隠されていた悪意が明らかになるイメージにしました。

ナイトメアキャッスル

第九圏の名称は【TRAITOR】。
意味は【裏切者】です。

地獄の最下層であり、もっとも重い罪である裏切をおかした者が堕とされるといいます。

コキュートスとも呼ばれる氷漬けの地獄です。この手前には、かつて神に刃向った巨人が封じられています。


壁からのぞいたアイツですね。さすがにトワとアリンでは駆逐できません。


本棚の部屋では 9 つの落書きを見つけられます。それぞれが地獄であることを暗示するものでした。


さて、『神曲』における第九圏は 4 つの円に区切られているそうです。

第一の円は「CAINA カイーナ」
第二の円は「ANTENORA アンテノーラ」
第三の円は「PTOLOMEA トロメーア」
第四の円は「JUDECCA ジュデッカ」


これらの名称は「罪人の像」によって開くパネルに刻まれています。その文字を組み合わせることで、もうひとつの名前が現れたはずです。


神に反逆した堕天使のなれの果て。すべての悪魔の王ともいわれる存在。

クイーンの正体。それは…


魔王サタン

『神曲』では、堕天使の名称ではなくサタンとして登場します。巨大な身体は氷に封じられ、恐ろしい 3 つの顔が罪人を喰らっています。

荒々しいイメージのあるサタンですが、ナイトメアランドでは優美なようで禍々しく狂っている存在に描いてみました。


クイーンはわざわざ各アトラクションをまわらせて、地獄が抱えるすべての悪(LIMBO を除いた 8 つの悪)をトワに植えつけようとしました。


そして生きながらにして一切の希望を捨てさった人間。「絶望」という名の最高の食材に仕上げてから喰らおうとしていたのです。

エンディングとしての【TRAITOR】は、裏切そのものです。


そんなクイーンの最期は…。
欲望にまみれた食の追及。まさに最悪の美食家といえるでしょう。


というわけで、ナイトメアランドの世界観設定でした。


最後の謎ともいえる「ナイトメアランドとはなんなのか?」は、『地獄』ということになります。

入口の銘文に気付かれた方はいらっしゃいましたね。
また「モチーフはダンテの神曲」と明言されていた方をおひとり見かけまして、思わず社内で声を上げてしまうほど感心いたしました。

原作の『神曲』はなかなか難しい本ですが、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。